2006年12月15日(金)16:15

EU首脳会議:EUは今後加盟候補国を厳しく審査

ブリュッセル(AP)

今後EU加盟交渉はもはや自動的に加盟に結びつくことはなくなる。ドイツのアンゲラ・メルケル首相は金曜日EU首脳会議の閉幕にあたり、「加盟の保証書」はなくなると述べた。一方でEU各国首脳は西バルカン諸国の加盟展望をあらためて確認した。しかし今後はEUの受け入れ能力も重視されることになる。

ドイツは来年1月1日に半年間の任期でEU議長国に就任する。私は「EUを一歩前進させるという野心」を抱いているとメルケル首相は述べたが、一方で議長国に対する期待は「現実的なもの」に留めるよう求めた。

メルケル首相はEUには拡大疲れは認められなかったと強調した。EU各国首脳は西バルカン諸国への加盟展望が「私たちの深い関心事である」という見解で合意した、と首相は述べた。EU議長国を務めるフィンランドのマッティ・ヴァンハネン首相は、「私たちは新たな加盟基準を設けたわけではない。扉は開かれている」と強調した。欧州委員会のジョゼ・マヌエル・バローゾ委員長は、新たな拡大ラウンドに対するEU市民の懸念を踏まえて、EU拡大のもたらす良い影響をさらに市民に伝えるよう求めた。

EUは現在クロアチアおよびトルコと加盟交渉を行っている。マケドニアも加盟候補国の地位を得ている。長期的にはボスニア・ヘルツェゴヴィナ、セルビア、モンテネグロ、アルバニアにも加盟展望が与えられている。EU各国首脳は金曜日、EUは引き続きセルビアも歓迎すると明言したが、一方でハーグ国際戦犯法廷との一層の協力を求めた。今後はどの候補国に対しても加盟交渉完了の直前まで加盟期日を発表しない。

メルケル首相は、現在進行中の拡大ラウンド以上の拡大を行なうためには機構的な条件が不十分であると指摘し、機構改革を含むEU憲法の必要性を訴えた。議長国ドイツは、凍結中のEU憲法再生に向けたロードマップを、来年6月に発表するものと見られている。

私は各国首脳に対して、共に憲法再生の可能性を探ることのできるパートナーを教えてほしいとお願いした、とメルケル首相は述べた。フランスのジャック・シラク大統領は、憲法に関する交渉を2008年末までに完了できるとの期待を表明した。

ルクセンブルクとスペインは来年1月末にマドリードで「憲法の友」の会議を招集した。出席する国はEU憲法を批准した加盟国であるとルクセンブルクのジャンクロード・ユンケル首相は述べた。この提案に対しては、昨年国民投票で憲法条約批准を否決したフランスとオランダから批判が上がった。しかしユンケル首相は、会議がEUの分裂をもたらすという懸念を否定した。

メルケル首相はスペインとルクセンブルクの提案に慎重な姿勢を示した。私はEU議長としてすべての加盟国の利益を考慮しなくてはならないと首相は述べた。

移民問題ではEU加盟国は今後協力を深める意向である。最終宣言ではまた、アフリカや他の途上国の専門的労働者をEU内で期限付きで雇用する可能性を検討すべきであると述べている。これは欧州委員会のフランコ・フラティーニ内務担当委員のほか、ドイツやフランスも支持している考えである。

原題:EU behandelt Beitrittskandidaten kuenftig strenger




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